床ずれ問答(褥瘡に対する「湿潤」の解釈とラップ療法の変遷)

 小浦場先生のポスター発表「褥瘡の病理組織から考える創傷治癒の病態とラップ療法・開放療法の意義」においてはその効果の機序に関し、かなり突っ込んだ発表が行われていたので記事にさせて頂きます。

結論を私なりにまとめると、慢性潰瘍の肉芽組織では創表面に血管新生が生じ、最表面には血管透過性の高い新生血管が存在で、滲出液の起源と考えられるが、肉芽表面にはリンパ管が存在せず、滲出液は表面から排出されざるを得ない。よってwet dressinngは必要ない。すなわち、ラップでなくオムツが最も条件を満たすというご発表であった。私なりに質問をさせて頂いた。
久保「先生のお話は、私には難しすぎたのですが、一言でラップ療法が否定されたような驚きです。それならば、今までラップで十分な効果を挙げた理由は何でしょうか。」
小浦場先生「決してラップを否定したわけではなく、今までラップでもよくドレナージでき、その上に当てられていたオムツが良かったのだと思います。なぜなら、吸収した滲出液の逆戻りがなく、(細菌の繁殖しやすい)粘液を吸収するためです。」
久保「しかし、穴があいたり、脇からドレナージできたとしても、部分的には密着密閉しておりますので、滲出液は押し戻されると思いますし、押し戻されることにより良く洗われて良いのだと、考えておりました。」
小浦場先生「(穴をあけず)四隅をテープで止めて完全に密閉した場合に、多くの悪化例が出たわけでしょう。部分的に考えるのではなく、創全体としてドレナージができる環境を作ることが大事です。」
総括:現場の立場の人間として総括すれば、決して湿潤環境や滲出液で洗うということ自体が悪いのではなく、褥瘡という特殊な病理組織学的状況で、過剰な湿潤環境に持っていくことは逆効果であると結論付けることができる。


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